高校からの同級生の二人で2000年にコンビを結成し、長年関西で活躍していた吉本興業所属のお笑いコンビ「千鳥」。2012年に大阪でのレギュラー11本をほとんど降板し、満を持して東京進出し、以降数年間燻ったものの現在はテレビで見ない日がないほどの大ブレイクを果たしています。
今回は、そんな千鳥の魅力などについて、改めてご紹介します。
千鳥のコンビ名の由来は?
千鳥のコンビ名の由来は、二人の地元・岡山にある高校の通称からきています。校章が千鳥、千鳥ヶ丘という高台に建っているなどの要素から、通称「千鳥」と呼ばれていた「岡山県立笠岡高等学校」です。
面白いのが、千鳥のお二人は笠岡高校に通っていたわけではないということなんです。笠岡高校は地元でも進学校として知られており、二人も同校へ入学したかったのだとか。しかし二人が実際に通ったのは笠岡商業高校。笠岡高校への憧れを込めて、コンビ名にされたそうですよ。
余談になりますが、高校時代の二人は文化祭で司会を行うなど目立ちたがり屋な性格だった一方で、成績は校内でも下から数えて1番目(大吾さん)と2番目(ノブさん)であり、ノブさんに至ってはカンニングで謹慎になったこともあるなど、やはり進学校にはとても通えない学生だったようです。
千鳥(大悟・ノブ)のプロフィール
大悟のプロフィール
- 名前:山本大悟(やまもとだいご)
- 生年月日:1980年3月25日
- 年齢:42歳(2022年11月現在)
- 出身地:岡山県笠岡市
千鳥のボケ担当、大悟さん。ネタ作りも主に大悟さんが担当されています。学業不振すぎて、お情けで何とか高校を卒業し、NSCでは面接官に対して「お前ら、ワシよりおもろいんか?」とかまして前代未聞の不合格になるなど、数々の破天荒な逸話を持つ、近年珍しい「芸人らしい芸人」です。
学費さえ払えば誰でも入れると言われるNSCに落ちてしまった問題児の大悟さんですが、その後吉本のオーディションに合格したことで事務所入り、大阪NSC21期と同期として活動されています。ちなみに同期であるとろサーモン、久保田かずのぶさんも不合格となっています。
そんな大悟さんは、タバコを1日最大400本近く喫煙したとも言われるヘビースモーカーで、さらには酒豪で連日のように飲み二日酔いでロケに出ることもあるそうです。ギャンブルは、競艇が大好きで劇場出演の合間を縫って舟券を買い、更に浮気エピソードにもこと欠かないなど、特徴を挙げていくと大変問題のある人物像が浮かびあがります。
しかし、笑いの才覚に関しては確かなものがあり、4度のM-1グランプリ決勝進出に、M-1の代替大会「THE MANZAI」では3度決勝進出、3位、2位、2位という好成績を残しました。個人でもR-1ぐらんぷりで一度決勝進出を果たしています。IPPONグランプリでは優勝経験があり、「人志松本のすべらない話」でも、MVS(MVP的賞)を獲得しています。
志村けんさんとは、多い時で「週8回」という不可解なペースで酒を飲みに行くほど可愛がられていました。笑いの面においても志村イズムを継承しており、時折志村さんのコントのオマージュコントをテレビの企画で披露しています。志村さんが亡くなった時には、志村さんの遺品である愛車「キャデラック・エスカレード」を購入して引き取りました。大悟さんは自動車免許を持っておらず、彼の人柄、漢気を表すエピソードとして知られています。
ノブのプロフィール
- 名前:早川信行(はやかわのぶゆき)
- 生年月日:1979年12月30日
- 年齢:42歳(2022年11月現在)
- 出身地:岡山県後月郡
千鳥のツッコミ担当、近年はMCの能力も高く評価されている、ノブさん。なんといっても独特の方言、イントネーションを活かした切れ味鋭いツッコミがノブさんの武器で、「癖がスゴイ!」などのキラーワードも持ち、ノブさんのモノマネのようなツッコミをする後輩芸人が大量に発生したという噂もあるほどです。
高校卒業後はシャープ福山工場に入社していたノブさんですが、大阪でピン芸人をしていた大悟さんに「大阪でピンで売れたから、一緒に漫才したら売れる」と嘯かれ、芸人の道へ。しかし、ノブさんは初めて大阪に行った大悟さんに会いに行った際に、大悟さんがナンパを成功させ女性二人と朝までカラオケをした経験に大きく衝撃を受けており、「芸人とかどっちでもいいからナンパライフをしたかった」という動機でシャープを一年で辞め、大阪に来たことを語っています。
競馬とサッカーが好きで、Mr.Childrenとももいろクローバーのファンであるなど非常に多趣味です。サッカー好きが乗じて、2022年のカタールワールドカップでは応援サポーターとなっています。また、俳優の佐藤健さんとプライベートで非常に仲が良く、一緒にUSJにも出かけたことがあるのだとか。佐藤健さんが謎解き、リアル脱出ゲームを趣味に持っていることから、二人の名を冠した謎解き特番が2022年時点で3回放送されています。
千鳥の魅力
①大阪で鍛えられたロケの実力
2006年より大阪若手芸人の登竜門的番組「せやねん!」のレギュラーとなり、以降東京進出まで出演、その他大阪で多数のレギュラーを持っていた千鳥のお二人は、相当数のロケをこなしてきました。
東京進出以降いまいち波に乗り切れなかった千鳥の二人がブレイクを果たすきっかけとなったのは、ロケの実力が評価されたことから。関東ローカル番組「いろはに千鳥」が動画配信サービスで高い再生回数を記録し、全国区のロケ番組「笑神様は突然に……」でもその実力を遺憾なく発揮しています。「水落ち」「化け物」といったフォーマットは同番組で他の芸人がロケを行う際にもよく用いられ、近年のお笑い界のロケの面白さを一段階上げた功労者といっても過言ではない存在です。
②いぶし銀な漫才の実力
これほどまでに大ブレイクを果たしている芸人にも関わらず、「賞レースで何の結果も残していない」と時折弄られる千鳥の二人ですが、先述の通りM-1グランプリやTHE MANZAIで数度にわたり決勝に残るなど、漫才もしっかり面白い芸人です。
M-1グランプリでは敗者復活含め4度決勝の舞台に上がりながら、いまいち結果は奮わなかったものの、THE MANZAIでは3度の決勝全てで優勝に肉薄する好成績を残し、全国区でのブレイクへ繋げました。
漫才のスタイルは基本、分かりやすくバカバカしいもの。大悟さんの突飛なボケにノブさんのキレのあるツッコミが映え、「イカ二貫」などの印象に残るフレーズが光ります。
③他者を活かすツッコミ力
芸人でも一二を争うほどの名ツッコミと評価されているノブさんだけでなく、大悟さんもネタ以外ではツッコミの役割をこなすことができます。
「千鳥のクセがスゴイネタGP」「相席食堂」など、近年の千鳥のレギュラー番組には他の芸人、芸能人のネタVTRやロケVTRに二人がひたすらツッコミ、弄り、野次を入れていく形式の番組も多く、他の出演者を活かす能力も評価されています。
少々行儀の悪いツッコミで、いまいち盛り上がりに欠けるVTRも笑えるものに変える技は芸人界でも天下一品です。
最後に
今回は、千鳥の魅力などについて、改めて紹介しました。
次代の「ダウンタウン」とも目される千鳥の二人。これからの活躍にも要注目ですよ!